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 ☆茨城県動物愛護行政 大きく後退
2019年07月01日 (月) | 編集 |

☆茨城県動物愛護行政 大きく後退


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1)犬猫426頭殺処分しても殺処分数18頭と表明できるガイドラインへの失望

令和元年6月24日、茨城県は新たにガイドラインを作り犬猫殺処分ゼロの目標基準の変更を発表しました。
知事定例記者会見要旨
http://www.pref.ibaraki.jp/bugai/koho/hodo/press/19press/p190624.html##4

この新基準を使うと、例えば平成30年度では446頭の殺処分が行われたが、18頭だけ殺処分したことになる。残りの428頭は、殺処分をしない目標から除外することになります。
極言すれば、428頭を今後、殺処分しても構わない、生かしていく努力はしないということです。
https://inu-neko-sagashi.com/article/2019/06/26/ibaraki-satsushobun/?fbclid=IwAR2SdwME4ro1RA_YwS86HwRAfXgIzps41BD874cJod3hlbzhIVzH9j5HkYc

http://www.pref.ibaraki.jp/bugai/koho/hodo/press/19press/documents/inuneko.pdf

この428頭こそ当会が救済の手を差し伸べるべきとお願いしてきた犬猫です。

これは茨城県動物愛護行政の大きな後退を意味します。

この2年以上の間、当会は協力団体とともに、(治らない病気や怪我の苦痛からの解放を目的とした安楽死を除いて)すべての犬猫を救済するため、動物指導センターに協力してまいりました。そして県やセンターに具体的な提言を繰り返し、それが次々と実現し、あと一歩で収容犬猫のほとんど全てを救うシステム作りが終わるところでした。

例えば、当会は入り口対策を繰り返し要望させていただき、「県民の啓蒙を行う職員の増員(2名)」や「地域猫推進事業の開始」が実現しました。

出口対策では1頭でも多く譲渡につなげるための「収容犬猫全頭のホームページ掲載」「茨城県主導での譲渡会の開催」「子猫のミルクボランティア制度」等を重ねて提言し、これも実現しスタートしたばかりでした。

こうした入り口対策の効果が出るまで出口対策を行いながら、しのいでいく方向性に間違いはなかったと思います。
入り口対策の効果が出るまでには、時間がかかります。その間を殺して適正数を維持するのか、効果が出るまでやや長い期間をも増えた収容犬を生かす場所を設けて殺さずにしのぐのかです。

その間には、更に新たな入り口対策も可能でしょう。(2015.3月~2019.6月常総市多頭野犬を全頭保護完了した等のように県内の野犬と呼ばれている犬たちの保護)
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http://banbihouse.blog69.fc2.com/blog-entry-6045.html
http://banbihouse.blog69.fc2.com/blog-category-58.html
https://ameblo.jp/risurisugogo/entry-12486968276.html?fbclid=IwAR1opM28rxOuKUpJm03_KTRT4OV4RDTWZP-j3l8gLWCrPEvte971qYVTMYk

新たな出口対策を実現することも可能でしょう。(私の知る神奈川県や川崎市、横浜市のセンターは、今は、収容犬は極少数です。行政も積極的に横に繋がり助け合えば、沢山の命が救えるでしょう。)

いばらき自民党の小川一成議員も「もう一歩です。ここがしのぎどころです。」とご自身のフェイスブックで励ましの声を上げておられました。
小川一成先生FB 4月12日
https://www.facebook.com/issei.ogawa.7/posts/2035794826540091


今年1月から殺処分が止まっていた数か月でセンターの動物特に犬の収容数が過密になってきたため、過密化によって犬の収容環境が悪くなること、例えば噛み合い等、不測の事態が心配されていましたが、それに対しては、3月議会でいばらき自民党の舘静馬議員がセンター敷地内に新たに犬の収容場所やドッグランづくりを考えて欲しい、さらに県下数か所への動物保護業務分散をしていったらどうかとのご提言をされました。

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センター敷地内にある古墳のスペースを利用してドッグランと屋根付きの犬収容スペースを作り環境改善をはかろうとしていた茨城県。入札やハローワークでの人材募集も目にしていました。いくつもの改善の取り組みが始まったところでした。
 「茨城県動物愛護管理施策のあり方検討委員会」からも動物愛護機能を備えた施設への拡充提言等の提案書が提出されました。
当会はコンテナハウスを使う等での犬の分散収容をお願いしました。
昨今茨城県で問題になっている県の空き施設の再利用による収容保護場所の確保を提案していた団体さんもありました。
THRペット法塾様からも「茨城県知事、動物指導センターあて、動物シェルターについての意見書」が提出されています。

この様に、過密状態を解消するために、殺処分による「間引き」ではなく、あらゆる入り口対策、出口対策を行って殺処分ゼロに向かうことが期待されていました。

しかしながら、今回茨城県は、当会が救済実現を願い要望してきた、最も弱い立場に置かれた動物の命を切り捨てることを表明し、そのような動物の命を殺処分することでセンターの過密化を解消する道を選びました。
大きな茨城県全体から収容できる頭数はわずか70頭のままです。今後、茨城県は適正収容数を犬70頭位とし、70頭にするために殺処分を繰り返していくことになります。




信じがたいことに、この決定は多くの茨城県登録譲渡団体が県に対して、過密状態だから殺処分して70頭くらいの適正数に戻せ「適正数に戻すため殺処分を再開すべきだ」と嘆願した結果と聞き及びます。
動物愛護団体が弱い立場の犬猫の殺処分を要望するなどということは、私には到底理解ができません。過密化の解消は殺処分で行うべきではありません。
幸い茨城県には予算が豊富にあります。県北の活性化のため巨額を投じてパンダ誘致をしているくらいです。そのうちのほんの少しの予算で不幸な犬達を保護できる場所は確保でき、今いる場所を快適に改善することもできるはずです。

参考 
犬猫救済の輪より茨城県及び茨城県動物指導センターへ
「いのちの提言」総まとめ
http://banbihouse.blog69.fc2.com/blog-entry-6872.html

茨城県犬猫の殺処分ゼロを実現するために
提言①・・譲渡促進のためセンター収容犬猫全ての情報を公開すること
提言②・・譲渡団体やボランティアの開拓
提言③・・譲渡が難しい犬達に社会復帰のためのリハビリ期間とスペースを
提言④・・(犬) 「リハビリ型行政シェルター」設置で犬の殺処分をゼロに。
       (猫)  全国の犬猫殺処分の6~7割が離乳前の子猫たち。仕事としての飼育者の確保が急務。
まとめ  1. 茨城県「犬猫殺処分ゼロを目指す条例」の運用の問題点
     2. 目の前にある命を救うための施策を
     3.動物愛護とは弱者を救うこと
     4.今が前進の大きなチャンス。前向きに  

THRペット法塾「茨城県知事、動物指導センターあて、動物シェルターについての意見書」
http://thepetlaw.web.fc2.com/Scan/20190226ibarakiken-ikensyo.pdf



2)茨城県が環境省の意図とは違う解釈でガイドラインを運用しようとしていることの危うさ 

環境省・・・収容場所がないことを理由の殺処分はやめていこう!
茨城県・・・新たな収容場所は用意せず、殺処分で対応しよう!



知事報道発表で知事は今回の殺処分の基準変更(ガイドライン)は環境省に基づいていると述べています。
しかしながら、環境省の意図とは異なることを以下説明したいと思います。
続いて、茨城県の現状から、ガイドラインの問題点を明らかにします。

知事発言
「殺処分頭数については,環境省より,攻撃性を示す場合の譲渡不適,病死や老衰による収容中死亡,それら以外の3つの項目に分類することとされておりまして,茨城県としましては,今後,環境省の区分に基づいて,譲渡不適による殺処分や収容中死亡を除いた殺処分頭数を本県の殺処分頭数として,この数でゼロを目指すというふうにしていきたいと考えております。」

知事は、環境省の区分に基づくとしています。
しかし、その環境省の本当の意図はどうなのでしょうか。
(説明)
環境省は昨年「殺処分ゼロ目標の考え方の再整理」として「殺処分数の試行的分類」を提示しました。(以下環境省の区分)
http://www.env.go.jp/council/14animal/y140-47/mat03-2.pdf

(環境省資料より)
分類① 譲渡することが適切ではない(治癒の見込みがない病気や攻撃性がある等)
分類② 分類①以外の処分
分類③ 引き取り後の死亡
     ↓
今後は、いわゆる「殺処分ゼロ」ではなく、分類②による殺処分 数を減少させていく方向で対応していくことが必要ではないか? (抜粋ここまで)

環境省が今後減らしていきたい殺処分対象・・・②とは次のような犬猫です。

② 分類①以外の殺処分 (定義) ①以外の理由により譲渡又は保管が困難である、と判断したため、殺処分を行った動物 (例示) ○①には該当しないが、適切な譲渡先が見つからない動物 ・具体例:軽度の疾病、怪我又は先天性疾患並びに高齢、大型又は人に馴染まないため、希望者が現れない動物 ○①には該当しないが、施設の収容可能頭数等の物理的制限により飼養が困難な動物○①には該当しないが、適切な飼養管理が困難な動物 ・具体例:大型で飼養管理が困難な犬又は哺乳等の適切な飼養管理を行うことができない幼齢の動物

殺処分を環境省が減らそうとしているこの分類②の中にはたとえば「施設の収容可能頭数等の物理的制限により飼養が困難な動物」や「人に馴染まないため、希望者があらわれない動物」も含まれていますが、茨城県動物指導センターが殺処分を再開しようとする理由は、まさに施設の収容可能頭数の物理的制限や人馴れの問題です。
多くの団体が、過密状態だから殺処分して70頭くらいの適正数に戻せと強く申し入れたことから今回県は殺処分再開に踏み切りましたが、これは環境省ができるだけこうした殺処分を減らそうとしている部分にあたるのです。
茨城県がこれから殺処分していこうとしている犬猫は環境省が分類②でこれから助けていきたいとしている犬猫でもあります。

一方、当会は収容場所の確保をお願いし続けていました(前出「いのちの提言」参照)。収容場所が足りないための殺処分を回避するよう環境省の意図通りに提言してきたつもりです。

更に大事なことは 茨城県動物指導センターには 区分①にある「人や他の動物に重大な危害を及ぼす」ような犬はほとんど収容されていないということです。

それは以下の事から明白です。
※センターを視察されたいばらき自民党の舘静馬先生が「ほとんどの子が人なつっこく寄ってくる、首輪をしていて人に飼われていた犬である」と議会で証言しておられること。
※笠井保護指導課長が譲渡団体に、「殺処分になる犬を持って行って下さいよ。」と発言していること(危害を加える恐れがあり外に出せない犬を殺処分するはずなのに、民間に持っていけと発言しているのは持って行っても良い犬ということ)
※笠井保護指導課長が神奈川県R氏からの電話の問い合わせに「収容されている中に野犬はいない。野犬は山の穴のところにいる。センターに収容されるのはそこらへんをうろうろした飼い主のわからない犬である」と答えていること。

つまり、繰り返しになりますが県議会でのいばらき自民党舘静馬先生の収容場所確保に向けた提案、当会のコンテナ等を使った収容場所拡大、他の団体さんが再三提言されてきた廃校利用や敷地内空きスペースの利用を早々に決断すべきだったと思います。そして、ごくわずか、攻撃性が高く危険とされる犬のためには、THEペット法塾の意見書の通り「リハビリ型行政シェルター」の設置を急ぐことが望まれていました。



3)パルボについて


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6月にはいりセンターでパルボが発生しました。
殺処分再開を望む団体複数は殺処分が止まっているせいで過密になり環境が悪くなったからだと主張し始めました。
過密状態を解決するためには、勿論、入り口対策は同時進行で進めていくことは前提ですが、道の出口は二つしかありません。
「殺処分して数を間引きする」
「殺処分しないで、犬の収容場所を分散するなど環境を改善する」
この2通りです。
そしてこのパルボ騒動のさなかガイドラインが発表され、「殺処分で数を間引きする」方法が決定的になってしまいました。

パルボが沈静化した後、例えば100頭生き残っていたとして、せっかく生き残っても適正数70頭と決めたのであれば、30頭は殺処分になるわけです。
センターにワクチンが足りない(?)と言って、殺処分再開を求めていた団体が一般から寄付を募り、ワクチンを購入してセンターに届けているようですが、ワクチンを打って助かった命はまた殺処分されていくことになります。それとも今回生き残った犬は殺さず、今後収容されてくる犬を適正頭数を保つために殺すのでしょうか。不条理なことです。

尚、当会はバルボ発生に際し県及びセンターに以下のような提言をしています
「茨城県は、パルボの救命措置をお願い致します」
http://banbihouse.blog69.fc2.com/blog-entry-7012.html



4)最後に…当会の思い
社会的要因から殺処分される弱い立場の犬猫を救いたい
犬猫救済の輪の基本理念は「不可逆的な疾病や事故のための耐え難い苦痛を取り除くための措置としての安楽死」を除いて殺処分は認めておりません。
高齢である、幼すぎる、障害がある、人慣れしていない、社会に馴染みにくいなどの理由で犬猫を殺処分するべきではないと考えます。保護場所がないとか、社会化するためのトレーニングの人手が足りないとか、予算がないとかの「社会的要因」で愛護動物である犬猫を殺処分することは容認できません。

殺処分がワーストだった茨城県に「殺処分ゼロを目指す条例」が施行されたため
真の殺処分ゼロを達成していただけるのではないかと期待が膨らみました。そして2年以上にわたり、譲渡団体として頑張ってまいりましたが、今回の知事発表で目指す道が違うことがはっきりといたしました。

当会がこの2年間、引き出し、里親さんにつないできたのは主に、育てにくいとされ以前は収容と同時に殺処分になっていた、離乳前の子猫たち、そして負傷や病気の猫達でした。

「犬猫救済の輪」は、社会的要因から殺処分になる犬猫を救済しようとする立場です。
茨城県の動物愛護行政が目指す方向変換した「殺処分ゼロ」は、当会が目指す「真の殺処分ゼロ」とはかけ離れたものになりました。残念です。




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