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 6月20日 [宮島地域シカ対策協議会]
2008年06月21日 (土) | 編集 |
宮島野性生物学習会(平成14年7月6日(土))資料より

『宮島の鹿の現状』
            講師 林 勝治様(広島県立大学講師)

宮島も含めて日本にいる鹿はすべて「ニホンジカ」といいう種類で、鹿の仲間では初期の種類に近い。
初期の鹿は森を生息地とする森林性であった。それから草を主食とする草原性に進化した。森林性の鹿は単独生活をし、草原性の鹿は群れを成して人里近くで生活している。
ニホンジカは森林性から草原性への過渡期に位置する種類である。
明治時代になって、宮島ではさかんに植林が行なわれ草原が減り、ニホンジカとしての生息に適した島ではなくなってきた。しかし、観光客はじめ土地の人々が餌を与えることにより生き延びている。つまり、現在の宮島の鹿は人から餌をもらうことを習慣としている生物である。
現在、宮島町では鹿を自然な状態に戻そうとして餌を与えない方策がとられているが、鹿にとっては食糧不足の状態である。人間がまったく餌をやらなくなると100頭以下まで減少すると思われる。
宮島では、江戸時代にサルが絶滅、イノシシは60年前に絶滅し、アナグマは20年前に絶滅が確認されている。
鹿はオス・メス同数くらい出産するが幼児死亡率は50%と高く、とくにオスの幼児死亡率が高い。
成長するとオスはメスの半分くらいまでに減少している。

【子どもを産むという役目をもっているメスは栄養を貯えるという体の仕組みになっている。しかし、群れを守るという役目のオスは丈夫な骨格を形成して筋肉をつけることに重点がおかれ、栄養を貯えるということは二の次になっている。従って、食糧不足や病気が蔓延したときなどはオスのほうが影響を受けやすく、オスの生存率が低いことの一因でもある。】

体重はオス鹿で50~60kg程度、大きいもので80kgくらい、メス鹿は40kgくらいで、オス・メスとも宮島の鹿は、人が餌をやることが日常化している奈良の鹿と比べて小柄である。
 
人間が餌をやることを制限しだした宮島の鹿は食料不足の状態ではあるがそれでも冬をまえにすると食いだめをしてエネルギーの消耗に備えている。しかし、問題は冬が終わって春になる変わり目の時、貯えていたエネルギーが底をつく時である。
 こういう時に厳しい冷え込みがやってきて大雪でも降ると、食糧不足の宮島の鹿はいっきに絶滅に向うと予想される。



(2008年6月21日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/animal/genre1/20080621-OYO8T00286.htm

宮島のシカ削減へ…広島・廿日市観光客を角で突く/フン害絶えず…市、避妊など検討


削減が計画されている宮島のシカ(広島県廿日市市宮島町で) 広島県廿日市市は、来年度から世界遺産「厳島神社」のある宮島(同市宮島町)で、「神鹿(しんろく)」として知られ、観光資源にもなっているニホンジカの削減に乗り出す。観光客らを角で突く被害やフン害などが絶えないためで、20日、同市役所で開かれた「市宮島地域シカ対策協議会」では、メスジカの避妊も視野に入れる案などを検討。神社周辺の約200頭を5年間で半減させたい考えだ。


 宮島のシカは、1950~60年代ごろから増え出した。弁当を食べられたり、角で突かれた観光客らからの苦情が、毎年十数件寄せられ、エサを与えないよう注意を呼びかけたが、効果はなかった。

 宮島地区は61年から鳥獣保護区に指定され、狩猟などによる駆除が禁止されている。市は昨年5月、駆除が可能となる県の「特定鳥獣保護管理計画」に宮島も加えるよう要望し、今年3月、中長期的にシカを減らす方法を検討する対策協議会を設置。1平方キロ・メートル内の生息数17頭を、5年間で10頭程度にする削減計画を立案したが、県は「シカは観光客らに親しまれており、特定鳥獣の指定にはそぐわない」とした。

 この日の協議会では、宮島全体で450~500頭生息していることが報告され、今後、個体数や繁殖率の調査を継続する必要があることなどを確認。今年度中に市の保護管理計画をまとめることになった。

 野生ザルの餌付けで知られる、大分市の高崎山自然動物園でも、周辺の農地で農作物を食べたりする「食害」が問題化し、来年度からメスザルの避妊手術に踏み切るという。

 シカの生態に詳しい総合地球環境学研究所(京都市)の湯本貴和教授は、「過疎の進んだ人里でシカが農作物を食べる食害が問題になっている。観光客との共存が必要な宮島では、人による管理が必要なのでは」と話している。




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宮島シカ、繁殖率低く小型化 '08/6/21  中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200806210036.html
 広島県は20日、宮島(廿日市市)のニホンジカの生息実態調査報告書を公表した。島内のシカは全体的に小型で、繁殖率が低いことが明らかになった。調査は昨年11月―今年3月、島全域を対象に初めて実施した。450―500頭が生息し、このうち市街地に約180頭がいることを確認した。

 1歳のシカの平均体重は雌が17.2キロ、雄が21.5キロ。島外のシカに比べ、半分程度の大きさだった。子連れの割合は14―26%で島外の半分以下だった。県は「島という孤立した環境にあり、長年にわたり過密状態、栄養不良が続き、小型化したのでは」との見方を示している。







川崎市動物愛護センター・幼ねこ譲渡嘆願書.pdf

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